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世界の食卓から

アーモンドミルクの歴史

古代から食されていた
アーモンド

アーモンドの原産はアジア西南部から中国の天山山脈にかけた地域。ギリシャ神話や旧約聖書にたびたび登場することから、古くから貴重な食べ物であったことがうかがえます。アーモンドの薬効については、古くは1世紀頃のギリシャの本草書(植物図鑑)に整腸作用の記述が見られます。中国では明の時代に咳止めとして、日本では江戸時代の書物に「(たん)の薬」として紹介されています。

(イメージ)古代から食されていたアーモンド

中世から欧州で使われていたアーモンドミルク

アーモンドはローマ時代に地中海沿岸に伝わったと考えられます。中世のヨーロッパでは、キリスト教徒が宗教上の理由で肉や乳製品の摂取が禁じられた四旬節に、牛乳の代わりにアーモンドミルクを飲んだり、スープやソースとして料理に使ったりしていました。

ブラマンジェ

モーツァルトとアーモンドミルク

中世の修道院で生まれたアーモンドミルクは、ヨーロッパ貴族のスープとして登場していましたが、モーツァルトの時代には清涼飲料としてカフェで提供されるようになりました。モーツァルトがザルツブルグで足しげく通ったカフェシュタイナーでは、アーモンドミルクが人気のメニューでした。当時のレシピは、アーモンドに水を少量ずつ加えながら細かくつぶし、その濾液に砂糖を加えて十分冷やしてから、香りづけにダイダイの花びらを浮かせたそうです。

(イメージ)モーツァルト