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世界の食卓から

世界の楽しみ方

アーモンドは世界中の食卓で大人気

中世の頃は保存の良さからヨーロッパでは広く流通し、人気を博していたアーモンドミルクですが、近代になり牛乳の流通網が整うと、食卓ではあまり使われないようになりました。

ところが現代になり、牛乳に代わるヘルシーな植物性飲料として再び脚光を浴びるようになりました。世界の食卓で広がりつつあるアーモンドミルクの楽しみ方やアーモンドミルクに関する雑学をご紹介します。

世界地図

米国

アメリカ合衆国で唯一、アーモンドの商業生産を行っているのがカリフォルニア。夏は暑くて乾燥し、冬は冷涼で雨が多いという、アーモンド栽培に理想的な気候条件を備えています。カリフォルニア中部には28万3000ヘクタールを超えるアーモンド農園が広がり、6000の生産者がアーモンドを栽培しています。

NYやLAなどの都市部では、植物性ミルクが主流になっています。人気のヴィーガンレストランや健康を意識したカフェやレストランのレシピには、アーモンドミルクが多く使われています。ターメリック・ラテや、ビーツラテ、抹茶ラテなどカラフルなラテが人気です。

(イメージ)米国 (イメージ)米国

スペイン

スペインは世界第2位のアーモンド生産地です。特に地中海沿岸地域は、温暖で多湿な冬、乾燥した穏やかな夏と、気候がアーモンド栽培に適しています。

観光地であるマヨルカ島などでも、アーモンドが栽培され、1月下旬から2月中旬にかけてアーモンドの開花が見られます。

アンダルシア地方では、中世よりアーモンドで作られる白いガスパチョ「アホ・ブランコ」(ajo blanco)がつくられていました。暑いスペインの夏の定番オルチャータ(Horchata)にも好みによってアーモンドミルクを加える飲み方もあります。

(イメージ)スペイン (イメージ)スペイン

韓国

美容意識の高い韓国では、低カロリーで栄養効果の高いアーモンドミルクが、人気となっており、料理やスイーツなど、さまざま活用されています。

韓国発のスイーツは、世界的に注目されており、コロナ禍の自粛期間に、「ダルゴナコーヒー」がSNSを中心にブームとなりました。ただ混ぜるだけの超簡単レシピなのに、見た目がユニークでかわいらしく、自宅で楽しめると日本でも話題に。ちなみに「ダルゴナ」とは韓国語で「カルメ焼き」という意味。牛乳をアーモンドミルクに変えてヘルシーに仕上げるレシピが多く見られます。

(イメージ)韓国

イタリア

中世のイタリアでは、病人の薬代わりとして、山羊の足のブロスにアーモンドミルクと砂糖で煮られていました。ルネサンス期に入ると、米が一般の食卓に登場し、アーモンドミルクを使ったリゾットが作られるようになりました。ルネサンス期のレシピにも、「米のアーモンドミルク煮」が残っています。

現在でも地中海に位置するシチリアでは、アーモンドミルクは夏によく飲まれています。それを凍らせて作るグラニータ(シャーベット)も人気です。

(イメージ)イタリア

ドイツ

ドイツサッカー界では「食事改善」が大ブーム。 『勝負は皿の上で決まる』と、パフォーマンスを上げるために、食事改善に取り組むチームが増えています。「動物性タンパク質は炎症を助長し、ケガのリスクを高める」という理由で乳製品を植物性ミルクに切り替えるよう指導するチームや、牛乳をアーモンドミルクに切り替えたと公言する選手もいるようです。

(イメージ)ドイツ

オーストリア

オーストリアでは、アーモンドミルクはモーツァルトが愛飲するなどおなじみの飲み物。もともと古くはハプスブルグ家で長く愛用されており、小麦粉をアーモンドミルクで煮込み、サフランで色をつける「フルーマンティ」というプティングが作られていました。ナポレオン戦争後のヨーロッパの秩序回復を図る国際会議 「ウイーン会議」の音楽会で、アーモンドミルクがメニューとして振舞われていたと文献に残っています。

(イメージ)オーストリア

イギリス

イギリスでは、近年アーモンドミルクの需要が急激に伸びています。イギリスといえば朝食はオートミール。オーツ麦を調理しやすく加工させたものです。そのオートミールにドライフルーツとアーモンドミルクなどを注いで一晩浸しておくだけで作れるヘルシーフード「オーバーナイトオーツ」が人気。オートミールと温めたアーモンドミルクで作ったお粥「ポリッジ」にも注目が集まっています。

(イメージ)イギリス

フランス

フランス中世の著名なシェフ、ギョーム・ティレル(別名タイユヴァン)も、アーモンドミルクを使ったレシピを文献に残しています。スープにしたり、イチジクとレーズンをアーモンドミルクで煮て、薄く切ったレシピや、染料で色づけした色鮮やかなブランマンジェを考案しています。

本来のブランマンジェは白い食べ物を意味し、アーモンドミルクと鶏肉、米などをとろみが出るまで煮たものですが、現在は鶏肉などは使わないデザートとして残ってます。

(イメージ)フランス

アフリカ(モロッコ)

アーモンドはアラブ人がヨーロッパに持ち込んだ食材で、アーモンドミルクはモロッコのおなじみの飲み物。モロッコ料理ではクスクスや、ライス・プディング、クナーファというスイーツなど、多くのレシピに使われています。

(イメージ)アフリカ(モロッコ)

オーストラリア

オーストラリアも世界有数のアーモンド生産地で、収穫期が北半球と半年ずれるため輸出国として注目が集まっています。

オーストラリアではコーヒーが非常によく飲まれており、毎日カフェは多くの客で賑わっています。飲み方も多種多様で、コーヒーに入れるミルクもアーモンドミルクが注文できます。

コーヒーに添えるスイーツとして人気なのが、ナッツやドライフルーツなど動物性食品を使わないボール状のお菓子「ブリスボール」。オーストラリアが発祥と言われており、日本でもヘルシースイーツとして人気が集まっています。

(イメージ)オーストラリア (イメージ)オーストラリア